チームワーク

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 綾花の学校では、スクールバスが利用できないため、子供の送り迎えは、父兄または、ベイビーシッターなどが、教室まで送り迎えする規則となっている。 冬の寒い時などは、いちいち車から降るのは、面倒ではあるものの、教室内での子供達の様子を見られるのは、なかなか興味深い。 また、先生方から、現在、子供がどんな事に取り組んでいるのか、聞かせてもらったり出来るのも有り難い。

 子供の学校生活について、親であれば、多少なりとも興味のある所ですが、私は、特に、綾花の交友関係に非常に興味があります。 綾花は、昨年まで 先生方からお墨付きの、一匹狼的な存在だったのですが、今年になってからは、送迎の車の中でも、家でも、ある女の子の名前ばかりが会話の中に出てくる上、迎えに行く時には、必ずその女の子と一緒にいるのです。その雰囲気は、他の友達を寄せ付けない空気があって、去年まで何となく仲良くしていたお友達とも、全く話していない様子。 これが悪い事とは、言い切れませんが、こういう関係って崩れた時が結構大変だったりするのは、女の直感とでもいうか、何となく分かるんですよね。それで、この件について、先生に相談しようと思っていた矢先の出来事でした。

 昨日、綾花を迎えに行くと、今学期に入って一度も一緒にいた事のない女の子と、ビースのカウンテイングのアクテイビテイをしていました。 このアクテイビテイは、かけ算を実感して理解するというものです。 このアクテイビテイについて説明すると、例えば6の段について学ぶ時には、1本の棒に6個のビーズがついているものが沢山用意されていて、棒を並べて行きながらビーズを数えていきます。このビーズとともにセットでついてくるのが、6の倍数の書かれた数字の札。 ビーズを6個数えるごとに、ビーズの数と同じ数の書かれた札をおいて行くのです。(写真の絵を参考にして下さい) 綾花がこれまでに交わった事などなかったお友達 エイドリアンと共に取り組んでいたのは、6個ビーズの棒を50本まで数えるというものでした。これは、単純に300まで数を数えなければいけないので、かなりの集中力を要します。 後に先生にうかがった所、先生が綾花とエイドリアンを指定して、どんな風にしてもいいから、2人でこのビースすべてを数えるように指示したそうです。 そしたら、2人で5本のビーズごとに、ビーズを数える担当と、その数の書かれた札を探し、置いて行く係とに別れての共同作業が始まったとの事。

 綾花の学校は、モンテッソリ式の教育を行っている所ですが、この学校では、先生方が、子供達の興味と実力を見極め、それに応じたアクテビテイを与えること、またアクテイビテイを行っている子供達を他の子供達が邪魔しないという決りが徹底されています。 昨日、先生が綾花とエイドリアンに与えて下さったアクテイビテイは、過去3年モンテソッリに通っている2人だから出来る事でありました。(綾花と仲良しの女の子は、今年からモンテソッリに入ったため、全く違ったレベルのアクテビテイに取り込み中です) 実際に、私が迎えに行った時には、アクテイビテイもまだ半分くらいまでだったので、私は、2人の隣に腰掛け、アクテビテイを終了する所まで見届けたのですが、全く正反対といってもいい2人の性格が、意外にも、共同作業には、非常に効果的である事も発見しました。 ちょっとした事に盛り上がりやすいエイドリアンは、「もう240まで数えたよ、綾花!やっほー」などと叫び、そこまで数えた事の充実感を満喫する一方、冷静な綾花の、「エイドリアン、どんどん数えよう!」という一言で、エイドリアンもまた、気持ちが、果たさなければいけない作業に戻されるという感じ。 

 この作業を遠くから見守って下さっていた先生が帰り際、「今日、綾花とエイドリアンは、共に300まで数えた事以上の何かを得た事を、実感しているはずですよ」と、私の耳元でささやかれた。 この先生の洞察力と気の回し用には、驚き以上の感動を味わった次第です。3年前、この学校に綾花を通わせる事について悩んでいた際、余りに多いモンテッソリ教育に対する批判的な意見に耳を傾けず、自分自身の直感に従ったことを誇りに思う瞬間でありました。