でんでんむしの かなしみ

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 ある日、背中に乗っている殻が、悲しみでいっぱいだという事に気がついた、でんでんむし。 他のでんでんむしの所にいって、それを話すと、どのでんでんむしも、同じ事をいう。 そして、最後は、誰もが悲しみを背負って生きているんだと悟って、なんだか気持ちが楽になった、というお話。

 季節柄という事もあって、最近は、この本を良く読んでいますが、子供より大人のためのお話ですね。 実は、今朝、犬の散歩の途中に会うおじいさんと、10分程立ち話する機会があったのですが、彼もなんだか、この本のでんでん虫のような人でした。 10週間にも満たない、コッカースパニエルのやんちゃな子犬を連れたおじいさんは、つい最近、自分の犬が車にはねられ死んでしまった事を教えてくれました。 もう、犬は、飼いたくなかったのですが、奥さんにせがまれ、仕方なく飼い始めたそうです。 でも、とってもかわいい子犬なら、誰でも飼いたくなっちゃうと同感すると、おじいさんは、さらに話を続けられました。 子犬をせがんだ奥さんは、末期のがんで、もう3カ所に転移していて、毎日辛い化学療法をこなしているそうです。そんな奥さんの望みだったので、飼う事に決めた様です。 そればかりか、癌が始まったのは、10数年前、娘さんが、交通事故でなくなった後だったそうです。 次から次へと、辛い話を聞かせて頂きました。 こんなに沢山の悲しみを背負って生きているこのおじいさんの、背中の殻は、相当大きいんだなあ、と思うばかりです。