シシリアンサマー

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 日本でも夏は、各地で多くのイベントが開催されるが、私の訪れたシシリアのアヴォラでも、滞在中の約3週間、毎週末何かしらのイベントが行われていた。イベントが行われるのは、街の中心にあるピアッツア(広場)。イタリア旅行を経験した人なら、たいていお気づきかとは思うが、イタリアの街には、なんとか広場、と呼ばれる広場が非常に多い。シシリアでは、暑い夏の夜、この広場に繰り出して、知り合いにあったら、話でも、というような社交場のような使われ方をしている。
 さて、私が滞在させていただいた友人のジューシーの家は、アヴォラの中心の広場の一角にある建物の3階である。よって、広場で何か行われると、それはそれは、賑やかである。広場にステージが設置され、ダンスなどのショーがあれば、バルコニーから眺められたりもして、なかなか便利でもある。ある夜は、イタリアの有名シンガーのコンサートが開かれ、コンサート時間間際になると、コンサートを特等席から見ようと、お客さんが3、40人程やってくるのである。こんな風に書くと、非常に良い環境のように聞こえる。が、イタリアの夏の夜は、長く、たいてい広場のイベントが始まるのは、夜10時位から。滞在中最後まで、イタリアの夜時間に対応できなかった綾花には、このイベントは、迷惑の何者でもなかった。10時位に、目がとろとろしてきて、さあ寝ようと思った矢先に、コンサートやら、ダンスやらが始まるのである。眠りたいのに眠れない状態が続き、綾花は、非常にヒステリックになってしまった。 
 極めつけは、ある金曜から土曜の明け方に起こった。なんと、自転車レースのゴールが、この広場だったのだ。どこからどのくらいかけて、アヴォラにたどり着いたのか知らないが、夜10時過ぎから、次々と自転車に乗った人々がやってきた。私たちは、10時半から夕食に出かけ、「戻ってくる頃には、レースも終わっているでしょう」なんて考えていたのだけれど、朝1時に戻ってきても、終了どころか、ますます自転車に乗ってゴールをめがける人は、増えている。結局部屋に戻って、寝ようと試みるが、大きなアナウンスの音のせいで眠れないので、バルコニーに出てレースの様子を眺める事、2、3時間。レースが終了したのは、朝3時。その後、律儀にも、表彰式まで行われ、私が眠りについたときには、空が明るくなっていた。幸いこの晩は、綾花は、このような騒音にも関わらず、よく眠ってくれた。シシリアの夏は、気温も人々も暑く燃えていた。

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